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主に使う教材について

使う教材

バイオリンの練習で、使用する、楽譜(教材)について、紹介します。
進め方は、鈴木バイオリン教室の臨時講師の久保木講師の場合です。
版を選んで紹介しているので、同じ楽譜を買ってください。

 

年中以上であれば、小野アンナの音階教本と、エチュードと、曲の3本セットで進めていくと思ってください。

 

一番最初は、鈴木慎一バイオリン教本の1巻〜3巻を練習する。
なるべく頑張って、1年以内に3巻まで到達するように努力する(年中くらいで鈴木慎一バイオリン教本3巻が終わっていることがすごく理想です)。

 

 

1巻は、超初歩です。
1巻をやっているうちは、他のものをやる必要はありません。
やるとしたら、セブシック1-1くらいはやっても良いかもしれません。

 

 

2巻も初歩ですが、一曲だけ難しい曲が出てきます。
1巻よりは曲が長くなり、緩やかに難易度が上がっています。
2巻の最後までいける人は、バイオリンを始めた人口全体からすると、意外と少ないのではと思います。
多くの子は、2巻を終わる前に、脱落していくようです。

 

 

3巻に入ると、少し曲が長くなり、難しくなってきますね。
第3ポジションの練習も出てきて、初歩段階は卒業となります。

 

鈴木の2巻が終わったあとは、

・音階(小野アンナ)
・エチュード(カイザー・クロイツェル)
・曲(鈴木の3巻、新しいバイオリン教本、バイオリン協奏曲など)

の3本柱を軸として進めます。

音階

鈴木の2〜3巻くらいに入った時期から、音階もスタートします。
音階やらないと、絶対に上手になりません。
最初はつまらないかもしれませんが、必ずやりましょう。

 

 

 

3歳〜小学生5年生くらいまでは、小野アンナが基本です。
3オクターブ、3度、6度、8度、フィンガード8度(1と3、2と4の指でオクターブをとる超絶技巧)、10度(超絶技巧)と練習する(難しさはカールフレッシュとほぼ変わらない)。
10度やフィンガードも、早い子だと、幼稚園の年長から始めています(^-^;)
わたくしは中学2年の時に10度やフィンガードを始めましたが、今は小2くらいまでに始めないと遅すぎるようです。
3歳だと、最初の簡単なもの、
4歳なら、2オクターブ
5歳から、3オクターブから10度くらい
までいけます。

 

 

小学5年生〜中学生から、カールフレッシュに移行する。
小野アンナよりも、音階が長く、応用的な動き、和声感などのトレーニングにもなる。
芸大の入試では、カールフレッシュの音階が課題になっています。

基礎練習

音階が一番の基礎練習ですが、基礎力を補うために、かなり曲が進んでいる場合でも、セブシックも併用します。
音階よりもつまらない練習ですが、確実に基礎力の底上げが出来ます。

 

 

左手の超基礎練習です。
これが楽に弾けないと、かなり苦労することになります。
ゆっくり弾いているのに、1ページの間で、何回も止まってしまう場合は、残念ながらバイオリンにあまり向いていない可能性が高いです。
練習するのは、左手への脳の神経回路を作るのと、左手の形を正しくすること、左手の強化が主な目的です。
叩くくらいの強さで押さえる方が良い、という先生もいるくらいで、左手は体に良いフォームでよく鍛えましょう。

 

 

左手のポジション練習の基礎です。
1〜4番までは、ぜひやっておくと、ポジション移動が安定します。
あまりたくさんやる必要はないけど、ポジション移動と左手の親指が同時に動くことが大切です。
今、何ポジションを弾いているのか、を、即時に意識できないといけません。
1の指が何の音だから、何ポジション、というように意識しましょう。
パガニーニのような難曲でも、今自分の左手が何ポジションにいるのか、どんなに遅くとも2秒以内(遅くても2秒ですよ!))にこたえられないといけない(プロ志向ならですけど)。

エチュード

 

まずはカイザーからスタートします。
幼稚園から始めて、遅くとも小学3年までには終わらせておきたい(小1か小2の途中くらいで終わらせるのが理想でしょう)。
緑色のインターナショナル版を買ってね!!!!
「やさしいカイザー」は3歳や4歳の子向けかなと思います。
年長の場合は、カイザーをやった方が望ましいと思います。

 

 

クロイツェルは、小学1年生〜小学3年生までに始めたい。
42曲あり、どれもそこそこ難しいですが、小4くらいまでに終わると良いと思います。
なるべく多くこなすことで、絶対的なテクニック力が上がる。
クロイツェルを始めると、上手になる場合が多いように思う。
クロイツェルは、初歩だと思われがちだが、きちんと基礎力を高められるように工夫して進めています。
クロイツェルの中盤10番〜20番くらいまでに進む頃には、かなり難しい曲も弾けるようになりつつあるはずです。

 

 

ローデはクロイツェルが終わってからやる。
小学校高学年くらいにやるのが目安かと思います。
結構難しいよ。

 

 

ドントはローデが終わってからやる。
かなり難しく、パガニーニ並みに難しいものもある。
東京芸術大学付属高校【芸高】では、ローデやドントが入試課題として出題される。
東京芸術大学の入試でも、ドントが課題として出たこともある(24番など)。
芸大を目指す人は、ざっくり中学くらいに終わらせるのが、良いと言われていました。
天才は幼稚園の段階でドントに入る人もいるのだとか(ホンマかいな)。

 

 

エチュードはパガニーニで終わりです。
東京芸術大学、桐朋学園大学の大学入試で出題される。
パガニーニを全曲弾けたらテクニック的には神の領域に達している。

 

世界レベルの化け物級の天才だと、小2で弾けるようになる。
通常は中1以降に進めば良いと思います。

 

パガニーニ全曲を完璧に弾けるなら、世界屈指のバイオリニストになっているのは間違いないだろう。

 

ヴィエニャフスキーのカプリスなどの難エチュードもありますが、パガニーニと同程度かと思います。

上級の教本(曲)

 

新しいバイオリン教本3巻は、鈴木バイオリン教本3巻が終わってからやる。
最初のザイツ協奏曲からやるけど、何曲かは飛ばす。

 

 

4巻までくると、すべての曲が中級レベルになってくる。
プロを目指すなら、年長か小1で、このレベルまで来たい。
ただ、無理して難しいものをやると、逆に下手になる場合も多いので、難しい曲をやって自己満足しないようにしたい。
足し算が分からないのに、掛け算をやっても意味がないのと同じです。
年長でブルッフのような物凄く難しい曲が弾けても、そのあとの成長が急に止まる場合もあるため、必ずしも難しい曲をやるのが得策とは言い切れないようです。
難しい曲を弾ける人は、才能がある可能性が高いです。
でも気を付けないと、左手をきちんと押さえる、などの基礎力がついていない場合も多く、あとから伸び悩んでしまうケースも散見されます。

 

 

途中でヘンデルのバイオリンソナタ4番をやることも。
ヘンデルのバイオリンソナタ1番をやることもある。
テクニック的に決して難しい部類ではないのですが、高いレベルの基礎がないと、音が美しく響きません。

 

 

5巻では、ビオッティ、ローデなどが大事。
5巻を終えたら、基本的には教本は卒業である。

教本の先

新しいバイオリン教本5巻を終わったら、いわゆる教本ではなく、きちんとした曲に移行する。
大人になってからも、人に聴かせるような曲といったらよいでしょうか。
曲としての完成度の高いものに移行するよ。
小2くらいまでにここまでくれば、かなり順調だと言えるでしょう。

 

 

モーツァルトバイオリン協奏曲3番
ベーレンライター版か、ヘンレ版、インターナショナル版を使う。
私はベーレンライターをすすめます(楽譜が綺麗なので、私は好きです)。

 

 

クライスラーのプレリュードとアレグロも、必ずやる。
スピッカートの練習もする。
コレルリの主題による変奏曲をやるのも良いかもしれない。

 

 

 

モーツァルトバイオリン協奏曲4番もやる。
1楽章だけやるパターンも多いですが、譜読みの得意な優秀な子はカデンツァも含め、全楽章やると良いでしょう。

 

最終段階

上記の曲を終えれば、ほぼ最終段階といえる、上級レベルの曲に入る。
テクニック的にもかなり高度で、美しい歌いまわしの技術も必要である。

 

入り口としては、ブルッフ、ラロから入っていくのが一般的である。
猛烈に早い子だと小学1年生からやるが、4年生以降から始めるのが一般的といえる。
早くやれば良いというものでもないと思う。
しかし五嶋節(みどりと龍の母)先生や橋本先生なんかは、かなり難しいものを小学校低学年にやって才能を伸ばしているようです(この辺は先生の考え方や、教え方に依るでしょう)。

 

版は、ベーレンライターか、ヘンレ版か、インターナショナル版を買う。
小学生などはインターナショナル版が良いかも?

 

インターナショナル版だけでなく、ベーレンライターあるいはヘンレのいずれかも買っておくのが望ましい。
インターナショナル版だけでなく、ベーレンライターあるいはヘンレのいずれかも買っておくのが望ましい。
インターナショナル版とは、インターナショナル・ミュージック社のことだよ。

 

 

 

ブルッフのバイオリン協奏曲1番は、技巧的でかつ、美しく弾く練習になる。
3楽章が一番とっつきやすいです。
幼稚園の年長で、見事に3楽章を弾いている子がいたりしますが、そういう子は天才と呼ばれる部類だと思います。

 

 

小1でスケルツォ・タランテラを苦なく弾く子なんかも、いるので、やっぱり天才は最初から天才なんだなあと思わざるを得ないものです。

 

ただ、難しい曲を弾いている人が偉い・上手いわけでは決してないため、焦らずに基礎レベルを高めるのが一番最短コースだと考えています。
小5〜6年くらいに差がつくと、挽回しづらいので、基本的には小学校高学年の時点で、自分はどのくらいのレベルにいるのか、というのは知っておくと良いでしょう。

 

 

ラロのスペイン交響曲も、技巧的な難しさと、力強く弾く練習になる。

 

 

ヴュータンのバイオリン協奏曲4番も、やったら上手になる曲の一つです。
テクニック的には、超上級のレベルを求められる。
ヴュータンのバイオリン協奏曲5番でも良いと思うが、5番は思いの他難しいかもしれない。。

 

 

 

ここまでくれば、やる曲は音大生と同じレベルです。
ブルッフラロ以降は、自由に曲を進めていくことが出来ます。

 

できればプロオーケストラオーディションの課題になるもの、桐朋学園大学の入試課題になっているもの、などをやっていくと、将来的にも役に立つでしょう。
【サンサーンス3番、ヴィエニャフスキ2番、メンデルスゾーン、パガニーニ1番、ブラームス、シベリウス、ベートーベン、プロコフィエフ1番2番、グラズノフ、ドボルジャーク、チャイコフスキー】のバイオリン協奏曲をやっておくと、コンクールにも使えます。
これらの曲は、バイオリンを上手くしてくれる曲です。
基礎的な土台が出来上がっているので、上記の協奏曲のようなオーソドックスな曲はやらずに、コンクールの課題曲をやる、など、でも大丈夫です。

 

 

 

ヴィエニャフスキのバイオリン協奏曲2番は、技巧的にかなり難しい。
上記のブルッフやラロの曲を弾けるようになってからでないと、やる意味がない。


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